それでは、敷金が差し引かれるケースとしては、どのようなものが想定できるでしょうか。一般的に、以下のような場合には、損耗の程度が社会通念上の通常の使用の域を超えるため、原状に戻すためにかかった費用は賃借人側に払う義務が生じ、敷金から控除されることとなります。

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子どもがクロス(壁紙)に
落書きしてしまった場合
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絵画を飾るために壁に穴を空けた場合
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台所や風呂、トイレなどの水垢、
カビが残ってしまった場合
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タバコの焦げ跡がついた場合、タバコのヤニで壁紙が変色してしまった場合
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借主の不注意で雨が吹き込んで
床板が傷んだ場合
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ペットが柱や床につけてしまったキズ・汚れをつけてしまった場合
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引っ越し時などに畳・フローリングへ引っかきキズがついてしまった場合

よく問題になるのは、ハウスクリーニング代の負担についてです。
賃借人は、通常の清掃をした上で目的物を返還する義務を負っています。ハウスクリーニングとは、一般的に室内を清掃・消毒し、入居前の状態に近い状態に回復する作業をいうものとされています。しかし、このようなハウスクリーニングは、通常の清掃をして返還する義務を超えるもので、次の賃借人を確保するために行うという側面が強く、もっぱら賃貸人側の事情により行うものといえます。よって、原則として原状回復義務の範囲には入らないと考えられます。